ご飯の魅力を語ろう

vol.1柏原ゆきよさん

管理栄養士
一般社団法人 日本健康食育協会代表理事
一般社団法人 食アスリート協会 副代表理事
一般社団法人 日本こども成育協会 アドバイザー

動画の内容をインタビュー記事で読めます

ご飯中心の食事で、
元気に長生きできる体を手に入れる #4

「もっと食べられるし食べたいけれど我慢する」が
「腹八分目」ではありません
「腹八分目」とはどれくらいの量でしょう。「もっと食べたいけれど我慢する」のが腹八分の感覚ととらえている人が多いですが、私たちが考える腹八分目とは、仮に「もうお腹が苦しくてこれ以上食べられない」というのが腹十分目だとしたら、「ああ満足、ちょうどいい」と思える量です。そもそも「食べたい」という欲求は、生命力そのもの。そこを無理に抑える必要はありません。ただし何を食べるかということは重要です。
おかずでお腹をいっぱいにすると、消化器への負担が大きく、消化に時間がかかります。さらに腸機能にも負担がかかって、体調を崩しやすくなったり太りやすくもなったりもするのです。一方、おかずを少し控えめにしてご飯でお腹をいっぱいにするという食べ方ならば、満腹になって満足感がありながら消化の負担が少ないので、だるさを感じたり胃がもたれたりすることもありません。ご飯の消化はおかずより早く、3時間くらいで胃から出ていきます。するとふっと胃が軽くなり、さらにもう少し経つと空腹を感じます。この食生活を実践すると、食欲がさらに出て食べられるようになるという現象が起こるのですが、これは胃腸がしっかり動いている証です。年を重ねると胃腸の動きが鈍くなり、食べたものをなかなか消化できず、送りだすこともできずで、お腹は空かないし、胃がもたれ、体が重くて疲れやすいといったことが起こりがちですが、それは単に年齢のせいだけでなく、胃腸機能の低下に原因があります。
世間では「何を食べるか」という部分を無視して「お腹いっぱいはダメ」という風潮がありますが、ぜひご飯でお腹いっぱいになっていただきたいですね。
食欲を我慢するのはもったいないこと
空腹を感じるのは健康な証拠です
日本の家庭で消費されるお米の量が減っています。「ご飯を炊くのが面倒」「ご飯だとおかずを作らないといけない」「パンなら買ってきてすぐに食べられる」という声を聞くこともあります。
また、ご飯を食べても一度に食べる量が減ってきています。これは食事をカロリーでとらえた場合、カロリーを控えるためにご飯を減らすといこともあるでしょう。一般的には1膳150gですが、1膳100g以下という方が増えています。どうもご飯をお代わりしたりたっぷり食べたりすることに罪悪感を覚える人が増えているようで、茶碗まで小さなサイズが主流になっています。
けれど、ご飯を少なめにしている人たちに「それで足りますか?」と聞くと、みなさん一様に「足りません。お腹が空きます」と言われます。お腹が空くのに食べるのを我慢するという状況はもったいないことです。私が「お腹が空くなら食べればいいですよ」と言うと、みなさん「えっ!」とびっくりされますが、食べたいものがあったりお腹が空いたりするのは健康な証拠。おいしいものを食べたら幸せを感じますよね。毎回の食事で「ああおいしい、ああお腹いっぱいで幸せ」と思えたら素晴らしいことです。
ストレスが多い現代社会、食事にまでいろいろなルールを設けて食べるのを我慢したり、食べて後悔したりという自己否定を繰り返すのは残念なことだと思いませんか? 安心してご飯を食べられる考え方や環境をもっと広げていきたいと、私も頑張っています。
#5へ続く