ご飯の魅力を語ろう

vol.2服部幸應さん

学校法人 服部学園 服部栄養専門学校 理事長・校長

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#1 6つの「こしょく」が
心と体におよぼす影響

現代社会に増えている、6つの「こしょく」をご存じでしょうか。

家族が不在の食卓で一人で食べる「孤食」
家族がそれぞれ自分の好きなものを食べる「個食」
粉製品を好んで主食にする「粉食」
自分の好きな決まったものしか食べない「固食」
いつも食欲がなく食べる量も少ない「小食」
味の濃いものを好んで食べる「濃食」

です。
大人でも一人で食事をするのは寂しいものです。繰り返すほどに孤独感が増し、気分が沈みます。ましてやそれが子どもの「孤食」となれば、会話がないので社会性や食事のマナーも身につけにくくなりますし、好き嫌いも増えがちです。とはいえ、家族と同じテーブルを囲んでいたとしても、お父さんがカレー、お母さんがパスタ、子どもはピザなど、それぞれが好きなものを食べているような「個食」ではいけませんし、各々がスマホをいじくりながら食べるような食卓も問題です。
「粉食」であるパン、ラーメン、パスタ、うどんなどの粉製品は、お米に比べて噛む回数が少なく、カロリーも高くなってしまいますし、牛丼ばかり、カップ麺ばかりといった「固食」は、肥満や生活習慣病を招く一因となります。
また、ふだんあまり食べない「小食」の子どもがほかの子ども達と一緒だとよく食べることがあるのは、「楽しい」という気持ちに食欲を増す効果があるからです。食べる意欲とは生きる意欲のバロメーターでもあるのです。
そして濃い味に舌が慣れてしまうと、野菜やごはんのほのかな甘みが認識できなくなるだけでなく、濃い味の食品には糖分や塩分も多く含まれているので、健康面でのリスクも高くなります。最初は薄味の料理が物足りないかもしれませんが、だいたい2週間ほどで慣れますから、ぜひ薄味中心の食生活を心がけて欲しいですね。
このように、6つの「こしょく」は心身に悪影響を与える危険な食べ方です。わかりやすく伝えるために6つにわけましたが、本来これらはすべて繋がっていること。「食事はみんなで楽しく食べてもらいたい」という思いを込めて、「こしょく」の説明をしています。
#2へ続く