ご飯の魅力を語ろう

vol.2服部幸應さん

学校法人 服部学園 服部栄養専門学校 理事長・校長

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#5 「いちほまれ」で温かくても冷たくてもおいしいお米の魅力を再確認

福井県出身の、陸軍で薬剤監や軍医を勤めた石塚左玄氏は、明治時代に「知育」「徳育」「体育」「才育」「食育」という五育を提唱されていました。僕が食育を唱える100年以上前に、すでに実践している人がいたわけです。福井県にはまさに食育の原点があったのですね。このことを知ったのが、僕が福井県に興味を持ったきっかけの1つでもありました。
また、コシヒカリを日本で初めて作ったのは福井県の農業試験場ですから、福井県にはもともとブランド力がありました。そしてこのたびそのコシヒカリを超えるものを作ろうと、6年の年月をかけ、20万株の中からこれぞという組み合わせを見つけ、ついに『いちほまれ』を世に送り出しました。
『いちほまれ』の成分を機械で分析すると、ものすごくいい数値が出るんですよ。数多のブランドの中でも一番じゃないかと思うくらいの数値です。
福井県の挑戦の結果が、こうして目に見える形になりました。
ただ、口に入れたときの印象というのはまた別ものです。香りやもちもち感などは食べる人の個人差もあるので、数値だけで測れない部分もあります。そこで、『いちほまれ』には今の状態を最上としつつ、さらに上のものを目指していて欲しいと思います。そうすればきっと、いつの時代も「『いちほまれ』って最高だね」と言われるお米になることでしょう。
そして今後はさらなる挑戦として、栄養価もうまく残しつつも今のおいしさをキープした『いちほまれ』にも挑戦してみてもらいたいですね。お米は最初の芽の部分の栄養価が非常に高いので、その新芽を残した新芽米や、糠の部分に含まれている免疫ビタミンと呼ばれるリポポリサッカライドを残したお米などを、『いちほまれ』のラインナップに加えていってもらいたいものです。
消費者のみなさんには、まずはぜひ『いちほまれ』を召し上がっていただきたいですね。食べ方はいろいろあると思います。炊きたてを食べる人、お弁当にする人、朝に1日分の米を炊いて夜はお茶漬けにする人など、家庭ごとに異なるでしょう。しかしどんな食べ方をしても、温かくても冷めていてもおいしいお米の長所を存分に堪能できるはずです。
パンやラーメンを食べることがあってもいいと思いますが、やはり日本人であるならベースはお米でなくちゃだめでしょう!