ご飯の魅力を語ろう

vol.3笠原将弘さん

恵比寿 日本料理「賛否両論」オーナー兼料理人

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#5 いちほまれと米食のすすめ

福井県の新ブランド米「いちほまれ」が誕生しました。昔はお米といえばコシヒカリとササニシキくらいしか思い浮かびませんでしたが、ブランド米が増えたことで「今日はどのお米を炊こうか」と選んだり、食べ比べをしたりする楽しさが生まれました。
いちほまれを初めて食べたとき、おいしいのはもちろんですが、バランスがいいと感じました。
個人的な好みではあまり柔らかいものより噛みごたえがあるほうが好きなので、僕としては理想的なお米です。微々たる差ではありますが、米粒も少し大きいと思います。
お米というのは食事の中でばーんと最前列に出るものではなく、常においしい和食の根底を担ってくれているもの。いちほまれはポストコシヒカリの名にふさわしい高い品質を誇るお米なので、この味と質を維持して、和食文化をしっかり支えてもらいたいです。
日本人の米離れが憂慮されていますが、お米があまりに身近な存在すぎて、その素晴らしさが、かえって見えなくなってしまってはいないでしょうか。水で炊くだけでこんなにおいしくなり、どんな食材とも相性がよく、毎日食べても飽きないというのはすごいことですよ。お米から派生した料理もいろいろあり、寿司や丼、おにぎりだってお米があったからこそ生まれたもの。「ご飯をあまり食べてないな」という自覚のある人は、改めてお米を意識してみてください。
季節ごとの旬が自然に取り入れられ、栄養バランスにすぐれているおかずがあり、その味をより引き立てるご飯があってと、和食は本当にすぐれた食事です。和食を食べてきたからこそ、自分の親たちの世代もパワーがあったんだと僕は信じています。戦後間もない時期からすさまじい勢いで復興したパワーだって、和食の力じゃないかと思います。せっかく和食の国の人なんですから、ぜひ和食を食べる機会を増やし、日本の素晴らしい食文化に触れてください。