ご飯の魅力を語ろう

vol.4細川モモさん

予防医療コンサルタント

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#4 朝食の効果&理想的な朝食

1日は24時間ですが、体内時計は24時間ではなく、10分ほどずれていることがわかっています。1週間に70分の「時差」が生じているわけで、これが糖尿病やうつ病などさまざまな重症疾患のリスクにもなることが最新の研究でわかっています。
そのために体内時計を毎日意図的に地球の時間に合わせる必要があるのですが、そのもっとも有効な方法と言われているのが、起床時に朝日を浴びること、そして朝食を食べることです。
海外出張の多いビジネスパーソンの多くは、体調管理法として、何時に現地に到着しようが翌朝は現地時間に合わせて起床し朝食を取ります。それによって体内時間を現地時間に合わせるのです。
体内時計のリセット効果の高い朝食は、たんぱく質を含んでいる朝食です。これが現代人には、なかなか難しいようですね。働く女性を対象として朝ごはん調査を行ったところ、きちんとたんぱく質のある食事をしている人はわずか12%ほどでした。クロワッサンとコーヒーとか、スムージー1杯とか、ちょっとおしゃれですがたんぱく質が不足しているため、体内時計のリセット効果は100%とは言えません。動物実験レベルでは、たんぱく質の中でも特に魚の油が体内時計のリセット効果が高いことがわかっています。ですから、帰宅時間の遅い方や夜勤のある方、体内時計の乱れやすい方は、とくに朝の魚献立が黄金献立です。鮭定食とかアジの干物とかしらすご飯とかツナサンドといった朝ごはんはとても理にかなったものです。どれも特に新しいメニューではなく、私たちがこれまで食べてきた一般的な朝ごはんですよね。時間がないなら鮭のおにぎりとか、もっと時短なら鮭フレークのお茶漬けでもいいんです。簡単な方法でもいいので、朝ごはんに魚を取ることをおすすめします。
「朝は食欲がない」という人もいます。原因としては、まず夕食の時間が遅いことが挙げられます。食べ物が胃の中に残る時間は食材によってかなり違うのですが、バターなら最長12時間も胃の中に残ります。しかも脂身脂肪分が多ければ多いほど翌朝は胃がもたれるので、おのずと食欲がないのです。
そこで、油っこいものは昼食で美味しく食べ、夕食はあっさりとした雑炊や野菜スープに鶏肉や豆腐料理、卵料理などにして胃の中に食べ物が残る時間をできるだけ短くすると、翌朝の起床時に「お腹空いたな」と思えるでしょう。また、22時以降に夕食を食べると、カロリーの吸収率がほかの時間よりもかなり増すので要注意です。夕食が遅くなってしまう人は、夕方に軽めの食事をして夕食を2度にわけるといいでしょう。それでも朝の食欲が今ひとつという人は、朝ごはんはまずは飲むヨーグルトや豆乳などのドリンクでもかまいません。朝ごはんは貴重な水分摂取源であり、肌や唇の潤いを守り、便秘や口臭を予防する役割もあります。たんぱく質が摂れる鮭や明太子のおにぎりを簡単にいただくのも手ですね。
#5へ続く