ご飯の魅力を語ろう

vol.4細川モモさん

予防医療コンサルタント

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#5 「いちほまれ」で
子どもの食経験や人生を豊かに

2歳になる娘のファーストバイトは「いちほまれ」でした。人生初めてのお米、食いつきはすごくよかったです。子どもには嫌悪学習、環境学習といって、何かを食べたときにその食べ物の記憶を紐づける力があります。
たとえば、たまたまお腹が痛かった時に食べたものに対しては、「これを食べるとお腹が痛くなる」というイメージが定着したり、初めて食べた「いちほまれ」がおいしかったら「お米はおいしい」とインプットされたりするのです。そこで私の場合、娘の離乳食は、最初だけは奮発しておいしい食材で揃えると決めていました。ずっと続けると食費が大変なことになってしまうので(笑)、最初のお米、肉、魚、野菜、お出汁はちょっと高くていいものを使って、「ご飯ってこんなにおいしいんだ」と感じてもらうようにしました。子どもたちにその記憶がインプットされればその後の食べ物の好き嫌いにも影響すると思うので、これから離乳食が始まるお子さんにはぜひ実践してみていただきたいですね。
日本ではお米の消費量が減少していますが、日本人の健康にとって日本食がいいというのは古くから普遍です。さらに、米はこどもの脳や身体の発育発達を強力にサポートしてくれます。とはいえ、現代においては3食和食である必要はないと思います。ピザやパスタが食べたい日もあるでしょうし、今日は中華料理という気分の日もあるでしょう。そこで私が提案したいのは、古来より伝わる「ハレ」の日と「ケ」の日を取り入れることです。「ハレ」の日は非日常として外食してもいいし、好きなものを食べていい日とします。一方「ケ」の日は日常として、和食を中心とした食事を心がけるのです。「ハレ」の日があるからこそ「ケ」の日を繰り返せるというわけです。
「いちほまれ」には、お米のおいしさを改めて感じさせてくれる力があると感じます。炊き方や炊くポイントもあるでしょうから、「いちほまれ」と共にそれも一緒に普及していただきたいですね。それによって、日本人として原点の喜びともいえる「お米っておいしいな」というシンプルな思いを、ひとりでも多くの現代人に感じてもらいたいです。私の娘のように、生まれて初めて口にしたお米が「いちほまれ」だったら、きっとお米好きな子どもになってくれると思います。
私が代表を務めるラブテリ トーキョー&ニューヨークでは、小さなお子さんほど水分をこまめに取る必要があるということで、飲料と同じくらい食事から取る水分も大切に考えて欲しいという啓発をしています。水分をたくさん含んでいる食材といえばお米なので、「お子さんにしっかりお米を食べさせてください」というプロモーションは今後も継続して行っていきます。また、今後は「いちほまれ」を使った離乳食キットを開発して、自分の子どもだけでなくギフトとしても活用してもらいたいですね。「いちほまれ」と一緒に、たくさんのお父さんお母さんへ食事を楽しくするためのヒントを提供していけたらいいなと思います。