ご飯の魅力を語ろう

vol.5橋本幹造さん

日本料理「一凛」オーナー兼料理人

動画の内容をインタビュー記事で読めます

#1 いちほまれのキャッチフレーズは「噛みたくなるお米」

僕がいちほまれのキャッチフレーズをつけるなら「噛みたくなるお米」
ご飯の魅力を語ろう:日本料理「一凛」橋本幹造さん

僕といちほまれとの出会いは約8年前になります。福井県の方から、「コシヒカリは福井発祥なのに、今やそのイメージは薄れてしまった。ここでもう一度立ち上げ直したい」という相談を受けたのがきっかけでした。実は僕も、そのとき初めてコシヒカリが福井で生まれたと知りました。そこから今のいちほまれが生まれるまでの試行錯誤、紆余曲折をずっと見てきたので、おのずと思い入れも強くなります。しかも完成したいちほまれがこのクオリティですからね。それまで店では友人の作るお米を特別に分けてもらっていたのですが、「すまん、浮気が本命になっちゃった」と頭を下げ、店でもいちほまれを出すようになりました。ただし、思い入れが強いあまり身びいきにならないよう、ときどき違うお米も食べて、今もおいしさの研究は欠かしません。
いちほまれは炊き上がりが固めなので、噛むことによって味に奥行きが出ます。だから噛みたくなるんですよね。僕がいちほまれのキャッチフレーズをつけるなら「噛みたくなるお米」です。

料理人の僕にとって一番きついのは、お客様に料理を残されることです。「農家さんがあれだけ苦労して作っているものを残させてしまった」という罪悪感でいっぱいになります。お米をいちほまれにしてからは、ありがたいことに残すどころかお米が足りないくらいです。あまりにおいしいので、ほかの料理もそのレベルに合わせなくちゃいけないので大変です(笑)。
少し心配しているのは、品薄でなかなか買えないのも困りますが、安易に買えると扱いも安易になってしまわないか、ということです。個人的には、東京では3kg以下のパックしか売らず、こまめに買ってもらうようにして欲しいと思っています。

お米の白さには美しさを感じます。

お米離れが進んで久しい日本ですが、それでも今なお日本人の主食であることは間違いありません。ではお米の魅力とはなんでしょう。僕は「おいしさ」「美しさ」にあると思っています。おいしいから、いくら食べても飽きない。コースの最後に〆の食事ものとしていちほまれを出すと、4杯もお代わりをするお客様もいるほどです。ちなみにいちほまれは、白米で食べるのがいちばんおいしいと思っています。
日本で作られる食物で白いものって、大根、かぶら、芋、そしてお米程度で、あまり多くありません。その中でもお米の白さには美しさを感じます。僕が炊き込みご飯をあまり積極的に作らないのは、お米の白さを保ちたいというのもあります。

ご飯の魅力を語ろう:日本料理「一凛」橋本幹造さん

ところで、新米が出るとすぐに食べようとする人が多いですが、新米は香りやみずみずしさは素晴らしいものの、味は1~2月、収穫して数か月が経ち、デンプンが糖に変わるタイミングになってくる頃がいちばんおいしいです。また、デンプンが完全に糖に変わりきった古米にもよさがあり、おかゆなどは断然古米のほうがおいしいです。ですから「新米が出るまでお米を買うのは待とう」という発想はやめて、その時期ならではのお米の味を楽しんでください。